祈り花

小説

1 . ラベンダー (疑惑)

 大学1年生が終わって大学に本格的に慣れた

頃、僕は履修登録を頭に抱え込み、友達とカフ

ェに座っていた。受ける授業など結局全て退屈

だし、生徒も携帯いじったり、寝たり、自分の

恋愛話に夢中になってる。そこにいた友達が僕

に話しかけてきた。

「なんでみんな大学くるのかな?俺もう働きた

いよ。みんな携帯いじってるだけじゃないか。

来る意味ないよ、ないない。」

「別に大学来ることに意味なんてないよ。みん

なが求めてるのは大学卒業というステータスだ

けだから、この大学で学んだことを生かそうと

してる人なんていないからね。これが大学。大

学を学びの場合だとほんとに思ってる人なんて

いないと思うよ。4年間をただ、過ごしてその

間にいい恋愛とか遊ぶとかそんなことしたいだ

け。これが現実。」

僕はその友達にそう言った。

別にこれが真実とか事実かはわからないけど

これが自分の中の正解であると思っている。

 そんなことを考えたら友達が口を開いてきた。

「別にあすかはいいじゃん!彼女もいるし、顔もいいし、スポーツできるし完全にモテ男じゃん。」

「そんなことない。」

「ある。」

「ない。」

「ある。」

このやり取りが1分間続いた。

今の僕には彼女がいる。大学1年生始まってす

ぐ出会って何となく流れで付き合って、今の今

までなんとなく付き合ってる。別に別れろと言

われれば別れるしいい関係とは言えないと思

う。そんなこと彼女に言ったら怒られるだろう

し、泣くと思うけど。これに関しては自分は

最低だなという思いはある。

「そろそろ授業行こう?。」

友達が急かしてくる。

僕は何も言わず立ち上がり友達のあとをついていった。

 

 

「近代社会に活躍したマックスウェーバーは今

の社会にも影響を及ぼしました。理解社会学

主にやっていたんです。私は別にマックスウェ

ーバーを擁護するわけでもないですし、そもそ

も僕の社会学はこの人の社会学とは全く違いま

す。けど、この人は今の社会学の基礎を築いた

と言っても過言ではないほど社会学において活

躍した人です。」

教授は今日もいつもと同じように熱弁してい

る。大学の先生というのは自分と生徒との温度

差に気づいてないだろうか。別に馬鹿にするつ

もりはないけどある意味凄い。熱弁したくなる

時とは、聞き手側も同じような熱量で、鋭い眼

差しを教壇の方に向けている時ではないだろう

か。たいして講義を聞きたくもない生徒達に

教えるのなんて教授も大変だなと思った。

さっきの友達は寝ている。僕は窓の外をぼーっ

と眺めている。この授業に意味は無い。

社会に出た時に使えることなんてないし、ただ

こんなことを学びました、って言うだけにしか

過ぎないだろう。その時、彼女が後ろから僕の

肩をツンツン、と叩いてきた。

「なにぼーっとしてんの?」

「別に?退屈だなって思っただけ」

「そのクールキャラ全然カッコよくないよ。」

少しイラッとした。

「別にこれが俺だから、カッコよくないと思う

なら振ってくれてもいいよ。」

彼女の顔が一瞬引きつった。

「冗談だってば。そんな本気にしないで。」

僕は本気だった。別に振ってくれても構わな

い。僕らの話し声で目が覚めたのか友達が目覚

めた。

「なんであんな美人を落とせたんだ?クソ野郎。」

あははって笑っておいた。

彼女は僕達の中ではナンバーワン美女らしく、

(僕には全然分からないけれど)人気が高い。

別に僕じゃなくても良かったと思うし、僕より

性格の良い男はごまんといるだろう。なぜ僕達

は付き合ったのかやっぱり分からない。

きっと僕も付き合った当初は浮かれていたのだ

ろう。けどすぐこの人じゃないって直感的に又

は本能的に察知した。僕は彼女として大切にし

たいと思える人は一緒にいて楽な人だ。

こうやって、好きでもないのに付き合ってると

僕は裏表があるなぁと思う。友達にも彼女にも

僕の中ではトラブルがない状態で付き合ってい

たいから自分の中でその人の嫌いな部分とか気

になる部分とか絶対に言わない。口に出さな

い。よく僕の心に叫んでいる。

「好きって言って、とかうざいー。」とか

「お前話題なさすぎだよー。」とか

そう考えると自分は性格悪いと思った。

「それでは、今日はこの辺で終わりたいと思い

ます。お疲れ様でした。」

そんなこと考えていたら講義が終了していた。

これ以上考えていたら僕は人類で、底辺の性格

の悪さを担う人間になっていただろう。

 友達はこの授業で終わりだからバイバイ、と言

って帰っていった。僕は次、七限の授業があ

る。始まる時間は七時半で、終わるのが九時十

分だ。こんなに遅い時間までやってるのも一年

生時に単位を落としたビジネスマナーのような

授業で、再履修のものだからだ。要するに"お前

らのような負け組は遅くまでやっていろ"という

ことである。次の授業が一緒の友達と待ち合わ

せして負け組が集まる教室へと向かった。